
税金は何故徴収されるのでしょうか?
物を購入したりサービスを利用したりした時に払う「消費税」、給料から天引きされる「所得税」や「市県民税=住民税」、土地や建物にかかる「固定資産税」等、多岐にわたります。感覚としては余計な支出が増えたり、給料が目減りしたように感じられたりするので、喜ばしいものではありません。
しかし、国民から集められた税金は私たちの生活に欠かせない分野に使われています。具体的には、道路、上下水道、公共交通、ゴミの運搬・処理等の生活に必要なインフラや消防・警察等の公共サービス、学校教育や子育て、介護等の支援、公園や文化・スポーツ施設、図書館等の公共福祉施設等、これ以外にも様々なサービスに使われています。
ここで、子どものいない40代の男性Aさんという人物を想定してみます。Aさんはスポーツが好きで公共体育館を使用しており、使用料もきちんと支払っています。道路やゴミ、上下水道は生活に不可欠だからしょうがないとしても、子どもがいないので自分が支払った税金が子育てや介護、果ては全く利用したことのない図書館にまで使われるのは納得がいかない様子です。公共の体育館のようにサービスを利用した人が利用した分だけ払うことが良いと考えています。これを「受益者負担」と言います。
民間のサービスは基本的に受益者負担です。しかし、公共サービスを全て受益者負担にすると問題が起こります。例えば、火災が発生した時に「あなたは5千円しか払わなかったので水は100リットルまでしか使用できません」、窃盗が発生した時に「あなたは100万円払ったので警察は一年間かけて全力で捜査します」、等といった世の中になってしまったら、果たして暮らしやすい世界でしょうか? また、先程挙げた公共の体育館にしても利用者の使用料だけでは運営費としては足りず、採算をとる為には大幅な値上げが必要になり、結局はお金がある人しか使用できなくなります。
このように、公平性・平等性が求められるもの、例え自分が利用しなくても公共の福祉≒社会全体の幸福度が上がるもの、生きていくために不可欠なものを新設・維持するために必要な存在が「税金」なのです。